インフルエンザワクチンの選択に関しまして(従来の注射ワクチンと点鼻ワクチン)

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2歳から18歳の方では昨年よりインフルエンザワクチンは従来の注射ワクチン(不活化ワクチン)に加え点鼻ワクチン(フルミスト:生ワクチン)も選択できるようになりました。

どちらを選んだらいいかとのご相談をお受けする機会が増えており、選択に際しては【効果】【副反応】【費用】が検討内容となるのかと思いますので、フルミストの特徴について記載させて頂きますので選択に際し参考にして頂けましたら幸いです。

【効果】フルミストは、ウイルスが侵入する鼻や喉の粘膜で直接免疫を形成するため感染初期のウイルス増殖を抑えることができ、効果も約1年持続し、予防効果は高いと思います。

注射に抵抗がある児への新たな選択肢としての役割もあるかと思います。

【副反応】フルミストも卵の成分を含むため卵アレルギーのある方への扱いは注射ワクチンと同じです。

鼻粘膜部に微小なインフルエンザ感染を作る事となるため免疫不全のある方や重篤な基礎疾患をお持ちの方は接種できません。

また、気管支喘息への影響が懸念されており、喘息のコントロールが不良な場合や、5歳未満で喘息の既往がある方、過去1年以内に喘息の発作が頻繁にあった方、または喘鳴の症状がある方は接種できません。

頻度は低いものの生ワクチンのためフルミスト接種によるインフルエンザ感染があり得ます。

【費用】当院では、注射ワクチンは1回3000円、点鼻ワクチンは1回6000円(10月)1回7000円(11月)とさせて頂きました。

当院では、注射ワクチンに対しては3000円の補助が出ていますので窓口負担は生じませんが、点鼻ワクチンでは1000円〜の窓口負担が生じます。

【問題点】フルミスト接種によるインフルエンザ感染があり得るため接種後に発熱を来たせばインフルエンザの検査を行う必要があります。

感染が成立していなくても検査で陽性反応を示す事も考えられ、陽性反応を示せば感染の成立の有無は定かでなくとも抗インフルエンザ治療薬の投与を行う事となるのだろうと思いますがワクチンの効果が減弱してしまう可能性も否定できません。

インフルエンザの流行時期に入れば自然感染で抗ウイルス治療薬を服薬する機会が増えるため、効果は1年間持続するのであればインフルエンザの流行時期前に接種を完了してしまう事が重要で、10月の接種でも遅いと考えておりとにかく早くに接種を終えて頂きたく変則的な費用負担を設定する事といたしました。

【まとめ】

定期的な治療を受けていない方はいずれを選択されても問題はありません。

定期的な治療を受けている方は注射ワクチンを選択された方が無難かと思います。

気管支喘息で治療中の方では安全性の観点より点鼻ワクチンはお勧めいたしません。

免疫不全のある方は安全性の観点より点鼻ワクチンは接種できません。

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